糖尿病は、血液中の血糖値を下げるためのホルモンが上手く分泌されないことにより、高血糖状態が続いてしまうという病気です。一度糖尿病を発症してしまうと、投薬や手術などといった手法での完治は難しく、長く糖尿病と付き合わなければなりません。そのため、糖尿病の患者は、小さな子どもをはじめとして、高齢者まで年齢層は広いです。
糖尿病の治療では、看護師の生活指導が大きな割合を示すものですが、年齢によって指導する内容に関する注意点はそれぞれ異なります。高齢者の糖尿病患者に関しては、特に注意が必要となります。高齢者は、身体機能や認知機能が衰えてしまうことがあり、この点を留意しなければ糖尿病治療が深刻な健康被害となりかねません。
糖尿病の指導では、食事の指導が欠かせません。血糖値をあげすぎない食事内容を考える必要がありますが、高齢者の場合は低血糖になりすぎる可能性があります。低血糖になったとしても、その症状が認知症と似通っているため、判断が遅れる可能性もあります。
また、低栄養になることもあります。高齢者の中には、食事を制限しなければならないという意識が働きすぎて、過度な食事制限をしすぎてしまう人も多いです。このほか、脱水症状となる高齢者もいます。腎機能の低下や薬の影響によって脱水症状を引き起こしやすくなっているので、注意が必要です。
これらは看護師が患者に指導したとしても、なかなか徹底されないことがあります。そのため、患者だけではなく、家族に対してもどのような危険性があるのかを説明して、配慮してもらう必要があります。家族に対するわかりやすい指導を心掛けることも看護師の仕事のひとつです。
これらの気を付けるポイントを意識して、看護師としての糖尿病患者との関わり方を考えてみるとよいでしょう。